女性の抜け毛メカニズム

目次

女性ホルモン(エストロゲン)の減少による抜け毛

遺伝による抜け毛

分娩後に起こる脱毛症

女性ホルモン(エストロゲン)の減少による抜け毛

女性の場合、男性と違って男性ホルモンの分泌量が多いわけではないので、薄毛になりにくい傾向があると一般的に言われています。

しかし、それでも年齢を重ねていく事に女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減っていき、男性ホルモンとのバランスが崩れ、だいたい60歳過ぎぐらいから薄毛の傾向が見え始めてきます。

男性のように頭頂部やM字部分の生え際に男性ホルモンレセプターと呼ばれる男性ホルモンの受容体が多くあるわけではないので、特定部位が薄くなるということはありません。

しかし、女性にも頭部に男性ホルモンレセプターと呼ばれる男性ホルモンの受容体が少なからずありますので、抜け毛が徐々に目立ち始め、頭部全体の地肌が露出したような状況になることは考えられます。

血液中に流れている男性ホルモンのテストステロンは毛根に存在している5aリダクターゼと呼ばれる酵素と結びつくことで、髪が細くなったり、抜けるメカニズムを生み出しています。

女性の場合、5aリダクターゼが広範囲に広がっているため、全体的にボリュームが減ってくるという方が多くなっています。

急に薄毛が目立つ状態になるというよりも毛が細くなったり、産毛のようなコシのない状態に変わっていくことが一般的に多くなってしまいます。

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遺伝による抜け毛

女性が薄毛になる要因として考えられるもので遺伝が挙げられます。

遺伝による薄毛の場合、親だけでなく、さらにさかのぼって祖父や祖母にも薄毛の人物がいると影響される可能性があると一般的に言われています。

また、遺伝による薄毛が進行してしまう家系の特徴として、bmpと呼ばれるエフリンがタンパク質を作る力が貧弱で、髪の毛を生成する力が弱いということが確認されています。タンパク質を作る力が弱いということは、髪を生成しているケラチンの生成がうまくいっていないということが考えられます。

その場合、普段の食生活でタンパク質を多く含んだ食材を意識的に多く摂取する必要があるでしょう。

例えば、肉や魚介類をはじめとした食材、特にイワシ、いくら、しらす、牛肉等に多く含まれています。

タンパク質を多く摂取することで髪の毛を生成するケラチンの育成を強化し、さらに人間の体の働きを構成する上で欠かせない筋肉や臓器の力の源となる効果が期待できます。

ただし、タンパク質の過剰摂取は腎臓に負担がかかり、腎機能障害などを招いてしまう危険性もあるので、1日の必要摂取量と呼ばれる60グラムを意識して毎日の食事を心がけるのが理想的と一般的に言われています。

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分娩後に起こる脱毛症

女性特有の抜け毛のメカニズムとして、分娩後脱毛症というものが挙げられます。出産を機に女性ホルモンのバランスが崩れ、出産からだいたい半年程度、抜け毛の量が増えてしまうという症状が起こります。

必要な栄養素がお腹の中の赤ちゃんにも分配されるため、自分自身の必要な栄養素が不足がちになって、ホルモンバランスが崩れてしまうケースがあります。

もちろん全ての方が出産後に脱毛症になるわけではありません。そして、抜け毛の期間も人によって違いがあります。1ヶ月で治まる人もいれば、半年程度続いてしまう人もいます。

ただ、一般的に特に治療はせずに、自然治癒で徐々に治まっていくというケースが多くなっています。

こちらも女性ホルモンが影響していて、エストロゲンが出産直後は大幅に減少してしまうことでこのような抜け毛が発症してしまいます。

だいたい授乳を終える頃には、徐々に抜け毛の量も治っていき、自然治癒が可能となっています。

ただ、高齢出産の場合は回復まで時間がかかり、抜け毛抑制まで半年以上かかってしまうということもあると一般的に言われています。

一時的なホルモンバランスの崩れなので病気ではありません。特に心配する必要はないでしょう。

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