商品開発秘話

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7.1人目の愛すべきオタクはサラリーマン

私は、想いだけで他に何もありませんでした。独学だけでは限界があることもうすうす感じていました。おかげで私に何が必要かがはっきりと理解することができました。

私どもに必要なもの、それはスペシャリストと呼ばれるブレーンでした。

それは、シャンプーに欠かせない成分、界面活性剤を知りつくし安全性を徹底的に考えている工場。
そして、先人の知恵を知りつくした馬油のプロフェッショナル。

自分に必要なものさえ理解できれば、あとは行動あるのみです。

私共はまず、理想のシャンプーを製造できるノウハウを持った工場を探しました。

様々な方に話を聞いていると、ある1つの会社名があがりました。自然派化粧品のパイオニア的企業であり、優秀な研究員を多く抱え大変忙しい会社だとの噂です。


なんだか敷居が高そうです。

まぁ、でも、そんなことは関係ありません。

迷惑覚悟のアポなし訪問です。

「すいません。シャンプー造りたいのですが!」

「???」

これが最初の言葉でした。

しかし、以外にもスタッフの方々は丁寧に応対していただきました。「お話を伺いましょう」と部長さんが応接室にいらっしゃいました。この部長さんが後に私がくじけそうになった時に、優しく、時には厳しく支えになっていただくとは思いもしませんでしたが・・・。

私はこれまでの経緯を無我夢中で話しました。
かなり脱線した話になりましたが、真剣に話を聞いてくれます。

1時間ほど話したあと、部長は、「おい!研究員を呼んでくれ!」とこの工場での中心的な研究員を呼んでくれました。

「この方がシャンプーを作りたいそうだ。かなり真剣だから相談に乗ってあげてくれ」




私は、この研究員に会いに毎週工場へ通いました。

当初、専門用語が飛び交いわけがわかりません。

自然派化粧品、中でも界面活性剤、
生薬の話になるともう、止まりません。

愛さえ感じます。

そして、会う回数を重ねるうちに私は思いました。

ただのサラリーマン研究員ではない。

これが本物の「オタク」だと。

こうして、これから1年にも及ぶ商品開発が始まりました。